漆と陶器の、素敵な出会い。
成形した陶器に塗るのは“本漆”。それは、漆職人が
木地に施すこととは訳が違う。試行錯誤の6年を経てたどり
着いたのは、下地を含め、5回塗って仕上げる独自の製法
だった。手間を要するのは承知の上。これでやっと陶器に
漆が密着する。艶やかな黒の漆に朱を塗り重ねる「根来
塗り」が、さらに味わいを引き立たせる。その朱を研磨し、
ほんの少しの黒地を見せる。陶器の重厚でいて滑らかな
質感に、伝統的な漆の深い色合い。「漆陶」という新しい
魅力を秘めた美濃焼が、食卓をにぎやかに、楽しいひと時
にしてくれる。