粋な発想から生まれた、陶器のうれしい可能性。
食器の大量生産化にふと疑問を感じ、“用の美”をコンセプトに実用的な「陶器具」を作る道へ。注目
したのはわさびの風味を最も引き出す「鮫皮」。作った大量のサンプルを元に、わさびを栽培・販売する
プロに協力してもらい、モニタリングや意見調査を繰り返した。そして成形した土に専用の接着剤を
塗り、大小異なる粒子を手でまぶした後、釉薬でコーティングして焼成。素材本来の香りが立ち、さらに
手軽で清潔、安全な“おろし”が生まれた。昔ながらの道具を陶器で作ってもっと使いやすく、という
粋な発想。新しいやきものの可能性は、ここから広がっていく。