丹 羽
新しい道としては、市場を海外に求めた方が早いと思うんだ。日本文化にずっと注目が集まってるし。
小 林
まぁでも、海外の日本料理店での陶器は評判が良いけど、一般家庭ではそう使わんみたいやね。
斎 木
でも、変に海外でうける商品を作るのも違いますよね。器だけを売るよりも、文化も一緒に持っていかなかんのやない?
籠 橋
そうですね。ほかの産地のものと一緒にとか、“Japan”で出るとかね。ライフスタイルで提案していかないといけないですよね。
渡 辺
あとは、やっぱり土岐市のブランド力やね。それぞれの窯元の個性が光るというか、“土岐市の美濃焼は質が良い、こんなにすごい器を作ってもらえる”って言われる産地として認識されんと。
斎 木
そうやね。今は美濃焼という総称の中に一つの窯がある。それを“○○窯というところが、土岐にあるよ”と、美濃焼の枠から外れるくらい、窯の名前が目立たんとね。
澤 田
確かに。それならまずは陶磁器業界全体がまとまって、産地として盛り上がるのが大事やね。そしたら個性に注目してもらえるようになる。
横 井
そうやなぁ。あと昔から美濃焼って言葉がひっかかるんやて。多治見市でも瑞浪市でも美濃焼やろ?いっそ“美濃焼”って名称を土岐だけ変えるとかさ。
土 本
思い切りますねー(笑)。でもいいと思います。こうやって俺らだけで話しててもね。小林さんや澤田さんみたいな商社さんとか、ほかのメーカーとか、各地域の組合の枠を超えて市を挙げてやっていく問題やと思うし。名前を変えて、再始動っていうか。
丹 羽
PRの方法も大事だよね。株式会社土岐美濃焼…じゃないけど、
団結することで、土岐市のブランド力が上がるといいよね。
小 林
いろんなことをやってけば、大なり小なり、何かきっと見つかるしね。50年後に土岐市でやきものを作ってないとか、陶磁器産業が終わるとか、そんな状態には絶対したない。何か僕らの答えを見つけていきたいね。