新しい市場での模索と挑戦
「戦後間もない頃、祖父は美濃焼を担いで東北まで売りに行っていたと聞きました」。そう社の成り立ちを話すのは、日本セラティ3代目の鵜飼研志さん。陶磁器の卸売業を経て、現在はトイレや洗面所の『洗面ボウル』を中心に扱う商社だ。
日本セラティが洗面ボウルを扱い始めたのは約10年前。それまではブライダル向けの引き出物を扱っていたが、時代とともに結婚式への価値観が変わり、市場におけるうつわの需要が急激に減少した。別の取扱商品を考えることになったが、日本一の陶磁器生産量を誇る土岐市で、他社と同じことをしていては競合するだけだ。あるとき、陶器製の洗面ボウルを目にして閃いた。「これを“磁器”で作ったらどうだろう」。日本セラティの挑戦が始まった。