土岐市美濃焼の歴史、伝統、技術と次代を担う現代の取り組みを紹介する公式ブランドサイト

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TOKI MINOYAKI STORY
Story10
手描きでしか生み出せない美と、伝統を繋ぐ。
株式会社山功高木製陶 髙木 崇
Profile
株式会社山功高木製陶
髙木 崇
〒509-5102 土岐市泉町定林寺364-2
Tel.0572-55-2660
yamakotakagi.com

全盛期から重宝された“絵描き”の技術
工房にずらりと並ぶ素焼きの湯呑み。その一つを手に取ると、下書きもなしにスゥッと筆で均一な線を描く。「加飾」に特化し、その技術を継承し続ける山功高木製陶の日常だ。
創業は昭和4年。美濃焼衰退の危機から脱却するため、美を追求した作陶から日常雑器の生産へと舵を切った時代。土岐市ではこの頃から、低コスト、大量生産を実現するため分業制度が導入された。駄知町のどんぶり、下石町の徳利、肥田の皿など、地域ごとで技術が細分化され、山功高木製陶のある泉町は煎茶椀の生産が中心となった。
「周辺に住む人たちが工房に集まって、流れ作業でうつわを作ってたよ。その中でも焼成を担当する“窯焼き”に次いで、“絵付け”は高給取りやったねえ」。そう当時の様子を話すのは、2代目の髙木功一さん。市内人口の大半が陶業に携わっていた時代から、うつわに彩りを加える加飾技術者は重宝されていた。

手で行う加飾の継承こそが、存続への道
そんな「陶器のまち」で、全盛期から多様な加飾を行ってきた山功高木製陶。現在、3代目の髙木崇さんがその技術を継承しようと奮闘している。転写やスクリーンプリントなどの印刷技術が発展した昨今、手描きによる加飾は非効率だ。ニーズの変化や跡継ぎ問題などで手作業での加飾を辞める窯元も多い。
「でも、毎日何気なく使ううつわにこそ、ぬくもりのある手描きの絵が合っていると思うんです」。実際、機械では表現できない風合いを求めて、大手飲食チェーンの湯呑みを始め、全国から注文が集まっている。「これと同じ絵が描けないかって持ち込まれるお客様も多いですよ」。
一方で、総勢5名の小さな窯元が時間と手間のかかる加飾製品の大量注文や細かな修正に対応するには限界がある。そこで、生地づくりや成形は創業時から付き合いのある外注業者に委託することで、加飾に専念できる体制を実現した。

簡単には会得できない技術だからこそ、唯一無二の強みになる
化粧土をかけた生地を針で削り、文様を描く線彫り。泥漿や釉薬を袋から絞り出し、表面に盛り付けながら描く一珍。手描きといっても多種多様な技法があり、それらを会得するには膨大な時間と経験が必要となる。崇さんが目標とするのは、父である2代目の功一さん。御年74歳、この道53年の大ベテランだ。功一さんは、輪状の針金で粘土の平面を削るかきべらや、ミリ単位の細かな線を彫る鉄筆など、加飾に使う道具の一部を手作りしている。「裏の山で採ってきた木の枝を削って作るんです。売り物よりも手に合うからね」。年季の入った道具を手に、今も第一線で活躍する。
「まだ先代にしかできない技法や商品がたくさんあります。筆で松の絵を描く湯呑みなんかがそうですね。一見簡単そうなんですけど、筆の走りや抜き加減が難しくて」と崇さん。誰でも容易に真似できるものではない。だからこそ、それが小さな窯元が生き残る強みになる。一日でも早く習得しようと、妻の真弓さんとともに切磋琢磨する日々だ。

分業が根付いた、土岐だから作れる美濃焼がある
一方で、時流に沿った変化も生まれている。サーカスのテントをイメージしたポップな手描きのティーセットや、志野釉のぽってりとした質感を現代的なニュアンスカラーで表現したリム皿など、独自の技術をモダンなデザインに落とし込んだオリジナル商品を開発。また、「陶器より頑丈で磁器より風合いがある」と、兼ねてからこだわって使用してきた炻器(ストーンウエア)への強みを評価され、制作が決まったOEM商品も。半年にも及ぶ試行錯誤の末に実現した、アンティークのようなムラと味のあるテクスチャーが人気を呼んでいる。
「多様な加飾の技術が培われたのも、現在加飾に専念できているのも、分業制度が根付いている土岐だからこそ。その中で、山功といえばこれだ、という技術をこれからも追求していきたいですね」。この地だからこそ育まれた技を受け継ぎ、昇華しながら、新しい歴史を紡いでいく。

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