土岐市美濃焼の歴史、伝統、技術と次代を担う現代の取り組みを紹介する公式ブランドサイト

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TOKI MINOYAKI STORY
Story14
建築業界から、美濃焼の価値を伝えたい
株式会社日本セラティ 鵜飼 研志
Profile
株式会社日本セラティ
鵜飼 研志
〒509-5171 土岐市泉北山町5-1
Tel.0572-54-3400
http://www.ceraty.jp

新しい市場での模索と挑戦
「戦後間もない頃、祖父は美濃焼を担いで東北まで売りに行っていたと聞きました」。そう社の成り立ちを話すのは、日本セラティ3代目の鵜飼研志さん。陶磁器の卸売業を経て、現在はトイレや洗面所の『洗面ボウル』を中心に扱う商社だ。
日本セラティが洗面ボウルを扱い始めたのは約10年前。それまではブライダル向けの引き出物を扱っていたが、時代とともに結婚式への価値観が変わり、市場におけるうつわの需要が急激に減少した。別の取扱商品を考えることになったが、日本一の陶磁器生産量を誇る土岐市で、他社と同じことをしていては競合するだけだ。あるとき、陶器製の洗面ボウルを目にして閃いた。「これを“磁器”で作ったらどうだろう」。日本セラティの挑戦が始まった。

磁器の特性を生かしたオリジナル商品を
そもそも、洗面ボウルほどの大きな焼き物を作ることは難しい。石膏型は茶碗の数十倍の大きさが必要になり、成形した粘土を崩れないように移動させるのも二人掛かり。その大きさゆえに機械化が難しいため、施釉も手作業で一つずつ行う。さらに、磁器は陶器よりも生地が硬く、大きく伸ばして作るのに技術が必要になる。「とにかく、大きいというだけで歩留まりが悪いんですよ(笑)」。
しかし、磁器は割れづらく水が染み込まない性質から、洗面ボウルにはうってつけだ。作りづらさから敬遠されてきた“磁器”の洗面ボウルに活路があるはずだと鵜飼さんたちは開発を進めた。「取引のあったメーカーさんに大きい焼き物を作れる設備があったのも運が良かったですね」。古くから付き合いのある窯元の協力もあり、ついに磁器製の洗面ボウルが完成した。

美濃焼の伝統と技術が生きた手洗い鉢
洗面ボウルの売り先は、建築関係。今まで取引のない業者ばかりだ。展示会に出たりカタログを送ったりと、一つひとつ、着実に“美濃焼の磁器製洗面ボウル”を広めていった。
慣れない市場ならではの苦労もあった。割れても気軽に買い足せる日常食器と違い、洗面ボウルではそう簡単に変えがきかない。食器以上に強度と防水への配慮が必要だと、企画から見直し、品質向上に取り組んだ。強度をあげるため、焼成を1350度と高めの温度で行うのもその一環だ。
そうして建築業界で奮闘すること10年。最初は1種類のデザインしか無かったオリジナルの洗面ボウルも、今では50種類を超えるほどに成長した。美濃焼の代名詞ともいえる織部を施釉したものや、隣市の名産であるタイルをあしらったもの、手描きの彩色を施したものなど、この地に根付く技術を生かした商品が揃う。どこか懐かしく、モダンな風合いが洋風インテリアのアクセントになると好評だ。さらにガラス製のボウルや鏡、蛇口などの関連マテリアルにも手を広げ、取扱商品は水周り全般まで拡大した。

暮らしの必需品として、選んでもらえる喜び
オリジナル洗面ボウルの購入者のうち、9割が個人宅用だという。こだわりのマイホームで毎日目にし、使用するもの。「昔より多くの選択肢がある中で、うちの商品を選んでもらえることが嬉しいです」と、鵜飼さんは幸せそうに笑う。
また、うつわ以外の業界に飛び出して気付いたこともある。世間的に、製陶の労力があまり理解されていないということだ。「僕は陶器屋の息子に生まれたので、うつわを作ることがとても手間がかかることは当然のように知っていますが、別の業界の人と話すと意外と知らない。『結構がんばって作ってるよ』って、もう少し分かってもらいたいんです」。そんな想いから、カタログには作陶の解説や写真を掲載し、身近なところから発信を続けている。
建築という新しいマーケットから広める、美濃焼の魅力。多様化によって美濃焼の需要が減った一方で、多様化によって新しい分野でスポットを浴びることもある。「今、伝統的なものやストーリーのあるものづくりが改めて注目されています。そんな流れの中で、こんなものもあるよ、って美濃焼が入り込んでいけたらいいな」。これからも新しい美濃焼の可能性を信じて、歩み続ける。

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