1400年もの古に生まれ、今もなお人々の生活に息づく美濃焼。
そのはじまりは、芸術品としてのやきものだった。
日本陶磁史上もっとも華やいだと言われる安土桃山時代に生まれた「桃山陶」。
しかし、時代の移り変わりとともにその需要は減少。衰退の危機に迫られた美濃焼の陶工たちは、伝統を継承するため、そして生きるために、日常雑器を焼く。これまでとは違うやきものに試行錯誤を繰り返しながらも、多品種大量生産化を実現させる。これにより、この地における陶磁器産業は見事に復活を遂げ、土岐市はやきもの生産量日本一に上り詰めるまでへと成長した。
時代の潮流とともに生きてきた土岐市美濃焼。近年もまた、新たな変革の時と直面している。
ライフスタイルや価値観の変化による日常雑器としての需要の低下。さらに、安価に輸入される海外からの大量生産品による追い打ち。その波は次々と押し寄せ、止むことはない。
それでも土岐市美濃焼は、臆することなく変革の道を進む。
時代を越え受け継がれてきた土岐市美濃焼の伝統と技術力。そして陶工たちの情熱、発想力、挑戦しつづける姿勢をもって。
より高い手触りの、より質の高い、よりデザイン性と実用性を兼ね備えた、土岐市美濃焼にしかできない新たな次代のうつわの創造へ。
土岐のまちを愛し、魂を籠め作陶をつづける陶工や窯元の数だけ、土岐市美濃焼の可能性は無限(∞)にひろがりつづける。